岩手県立釜石病院ホームページをご覧いただきまして、まことにありがとうございます。岩手県立釜石病院の坂下でございます。
釜石病院を含む岩手県立病院群は「県下にあまねく良質な医療の均てんを」の基本理念のもとに医療を展開してきました。地域で安心安全に暮らしていくために、医療はどうしても必要なものであります。当院もこれまで釜石・大槌医療圏の基幹病院としての役割を実直に果たしてまいりました。特に急性期疾患の治療において常に最善最良の医療の提供を心掛けております。また、救急においても「断らない救急」をモットーに診療体制を整えてまいりました。
しかし、近年の医療を取り巻く環境は非常に厳しいものがあります。医師の偏在、人口減少に加え、診療報酬削減・物価高騰・人件費の増大などいずれも病院の存亡に大きな影響があります。当院も少ない医師や職員の懸命な努力によりかろうじて支えられておりますが、今後も苦難の道程が続きます。これからは県立病院相互に機能分担しながら協力関係を保ち、自分たちの果たすべき役割を考えて地域に根ざした医療を行っていきたいと思います。
また、釜石病院の建て替えに向けての議論も今後活発となっていきます。住民の方々からのご意見もいただきつつ将来の釜石病院、そして釜石地域の医療のあり方について議論を深めていきたいと存じます。
「良質な医療」とは、決して最先端の医療に限られたものではありません。一人ひとりが有意義で穏やかな人生を全うできるよう支援することが良質な医療と考えています。私達は、そのような病院を目指して今後も精進してまいります。
皆様のご協力を得ながら地域医療を継続していくことが我々の使命であると肝に銘じております。これからも当院を宜しくお願いいたします。
岩手県立釜石病院 院長 坂下 伸夫